前回の8%増税時にもやったプレミアム商品券の販売を今回もやるらしい。今回は20000円で最大25000円分の商品券が購入できるのだが、今回は所得制限があって、住民税非課税世帯を中心に年収4~500万円の(個人?or 世帯?)が購入可能になるように詳細を詰めているそうだ。

アテクシ、これについて3点思うところがある。

1.過去の教訓を生かしているのか?
�@地域振興券と8%増税時のプレミアム商品券
過去に商品券に似た事業がいくつか実施された記憶がある。うろ覚えで恐縮だが1999年の地域振興券、2015年のプレミアム商品券がある。
まず地域振興券だが、これは地域振興券という名の商品券を低所得世帯や老人など3100万人に無償配布したもので、その効果は受給者の3割が振興券の使用による支出が増えたと回答したが、逆の7割は振興券を使用しない消費を行ったというものだった。また、個別追跡調査で利用しない理由を調べたところ「店頭で使うと、他の客や店員に低所得者だと思われるのが嫌なので使わない」という声が多いものだった。つまり商品券を無償配布しても「低所得者だと思われたくない」ので使用されなかったという結果に終わったのだ。ちなみに定額給付金のときも同様の結果だった。
次に8%増税時に発売されたプレミアム商品券だが、これは上記と異なり希望者が購入する形をとったので約95%の商品券が使用された。その結果、全国の商品券使用総額9500億円、このうち新規消費の需要喚起にいたった額が3400億円で、ここから発行に係る諸経費2400億円を差し引いた1000億円が実質的な消費喚起として効果があったとされている。だが効果は1000億円という僅かなものだし、地元基盤の大手スーパーでの使用が多く零細企業には恩恵が無い、商品券を買う手元資金に余裕のある人が得するなどのデメリットもあった。
�A所得制限と無償配布は使用率を下げる
上記から言えるのは、商品券を無償配布するだけでは現金の代替として使用されるだけで、商品券使用時に合わせて現金も使う、ある意味でバンドワゴン効果のようなものがなく消費喚起につながらないということだ。そして所得制限すると「貧乏人と思われたくない」という理由で使用が減る可能性があるということだ。
なので、来年実施予定のプレミアム商品券事業は有償販売なので、購入したのに使用しない人は少ないだろうが、ここに所得制限と言う足かせを設けると「貧乏人と思われたくない」という理由で購入者が減る可能性がある。まあ、制限対象が想定年収500万とのことなので、それが世帯年収なのか個人年収なのかによって購入者数が変わると思う。個人的には個人年収500万以下の方がベターだと思う。

2.わずかな経済効果しかない商品券事業をなぜやるの?
上記したように僅かな効果しかないのに何故やるの?他の施策をとらないの?そもそも増税しなければいいじゃん、と思うよね。他の施策としてすぐ思い浮かぶのが減税だが、これは貯蓄が増えるだけなので意味がないと言われている。アメリカ人のように消費は美徳という国民性なら消費が増えるが、日本はそうではないし、特に今は将来に不安な人が多いので貯蓄に回される傾向があるのでダメらしい。
じゃあ増税止めたらと思うが、財政再建(と言いつつ社会保障費の捻出)のために恒常的な財源が必要らしいし、バランスシート的に税収入が減るのはカッコ悪いから嫌らしい。ふと思ったが今度の移民政策は人口減少に伴う税収減少を補うために財務省も後押ししてるんじゃないかと思う。だからあんなに移民政策をゴリ押し出来るんだろうし。外国人材促進は人手不足解消だけじゃなく税徴収維持の人柱として、増税とセットで導入するのが既定路線だったのかもしれないね。まあ、その人柱にもなれない日本人(つまり外人に職を奪われて無職になる)が多数発生するかもしれないけどね。
最後に、つかこれが正解だと思うんだけど、選挙対策ってのが大きいと思う。商品券事業の実施主体は地元商工団体が地元自治体から受託してる場合が多いんだけど、ここって選挙時に組織票が動くんだよね。んで、その団体自体も税金貰って運営している組織だから、実績つくって金もらうためにこうゆう仕事を受注したいのよ。あと商工団体に加入している会社はこのルート使って議員に要望だせるしね。つまり効果云々のまえに事業実施そのものに対して政治家と商工団体のお互いが利害一致してるんですわ。具体的には自民系と商工団体の間に利害関係があり、公明と低所得者層に利害の一致があり、自民と公明に利害の一致があるので、今回もこの事業がスンナリと実施することになったんだと思うよ。職員は「あー!面倒くさい!」って言うだろうけど本心は「ラッキー!」と思ってるよ。

3.実施主体の体制は大丈夫?
商品券事業実施主体にとっては、商品券事業専用の会計をする必要がある。すなわち販売金額の入金と事業者から商品券を回収した際の決済用に使う通帳が本会計とは別に必要になる。また必要経費の出金や事業用資金を自治体から入金する際には、販売&決済金額と混同しないように明確に分ける必要がある。信憑書類も別個に管理する手間もあるし、事業完了後には完了報告書を作成提出して精算する必要がある。面倒くさい。逆に言えば、通常業務の片手間にやれていれば普段どんだけ暇してるかの証左になる。まあ、わざと残業して忙しいふりをするだろうけど。
また、今回、特に気になっているのが、店側にキャッシュレス決済が導入されること。もしキャッシュレス化を導入した店舗があってキャッシュレス決済が多発した際に、商品券売り上げも増加したら手元現金が少なくなって資金繰りに窮する恐れが高まる。なので、商品券の換金を随時か、出来るだけ短期間に換金可能なようにする必要がある。また、換金頻度と金額が増えると商品券事業実施主体自体が資金繰りに窮する恐れがあるので、資金繰り状況の確認と、資金ショートしそうなときの対応策(地元自治体から概算払いを受けたり、地元銀行との借入れ協議を事前にしておく等)をとる必要があるだろう。

ま、わずかでも地元の企業に効果があるわけだし、購入した消費者限定だけどプレミアム分でお得に買い物できる訳だから良いと思うよ。ちなみに使用期限は半年ほどとのことだが、資金決済法があるから間違いなく6か月未満になると思う。